庭木が病気になっていたら見栄えが悪いですし、最悪枯れてしまう可能性もあります。早期に気づくためにもお庭にある樹木がなりやすい病気は知っておきましょう。
今回は病気の詳細や原因、予防方法などを解説します。さらに病気に強い庭木の特徴や選び方も紹介しますので最後までご覧ください。
庭木の葉がなりやすい主な病気

うどんこ病
うどんこ病はうどんの粉のような菌が葉の表面に付着して白い粉状のカビが現れる病気です。
このカビは菌糸を伸ばして栄養分を吸収して広がっていきます。また菌が風で飛ばされると周辺の植物にも寄生します。
低湿度で冷涼な環境を好み、春と秋に発生しやすいのが特徴です。
【病気になりやすい樹木】
バラ、コスモス、サルスベリなど
すす病
すす病は、葉や枝がすすをかぶったように黒くなっているのが特徴です。カイガラムシやアブラムシの排泄物に付着したカビが繁殖することで発生します。
カビは時間が経つにつれて徐々に広がっていきます。うまく光合成ができない状態になっているので放っておくと弱ってしまいます。
春から秋にかけて湿度が高い時期に発生しやすい病気です。
【病気になりやすい樹木】
ツバキ、サザンカ、カシ類など
もち病
雨が多い梅雨時期に発生しやすく、葉や果実が餅のように膨らむのが特徴です。特に若葉に発生しやすく、春から初夏がピークですが、秋にもまれに見られます。
【病気になりやすい樹木】
サザンカやツバキ、ツツジ類
灰色かび病
湿気の多い環境で灰色かび病菌が葉に付着して発生します。葉にシミや黒い変色が見られ、梅雨や夏の高湿度時期に一気に広がることがあります。
【病気になりやすい樹木】
バラ、ツツジ、サツキ
炭疽病(たんそびょう)
炭疽菌が原因で、葉に小さな黒褐色の斑点ができ、斑点が次第に融合して大きくなります。特に夏から秋にかけて湿度の高い環境で発生しやすい病気です。
【病気になりやすい樹木】
カエデ、コスモス、モミジ
庭木の枝・幹がなりやすい主な病気

てんぐ巣病
枝が異常に密集し、巣のような形状になることからてんぐ巣病と呼ばれています。カビの一種が原因で発生する伝染病で、春から夏にかけて発生しやすい病気です。
【病気になりやすい樹木】
ツツジ類、サクラ類
こぶ病
細菌や糸状菌によって引き起こされ、幹や枝に表面がざらざらとしているこぶ状の膨らみが生じます。
最初は豆粒ほどの大きさですが、数年経つと握りこぶし以上の大きさになります。特に春先や秋口に発生しやすいです。
【病気になりやすい樹木】
サクラ類、ヤナギ、サルスベリなど
こう薬病
樹皮に寄生したカイガラムシが原因で発生します。幹や枝に灰色や黒褐色の病斑ができます。梅雨時や秋の湿度が高い時期に発生しやすい病気です。
【病気になりやすい樹木】
サクラ、ウメ、ケヤキなど
さび病菌
さび菌によって引き起こされる病気です。湿度の高い環境で葉や幹にオレンジ色や赤褐色の斑点を作ります。春から秋にかけて発生します。
【病気になりやすい樹木】
ツツジ、バラ、アジサイ
胴枯病(どうがれびょう)
病原菌が幹や枝から侵入して枯死させる病気です。侵入された部分から赤褐色や黒褐色に変色して膨れ上がります。進行すると亀裂が生じてくることもあります。湿度が高い梅雨時期に注意が必要です。
【病気になりやすい樹木】
サクラ類、モミジ、カラマツなど
庭木の根がなりやすい主な病気

ナラタケ病
ナラタケというキノコの菌が根に感染し、根腐れや樹勢の衰えを引き起こします。幼齢林がなりやすい病気です。特に秋に多く発生します。
【病気になりやすい樹木】
ヒノキ、カラマツ、ケヤキなど
根頭がん腫病
細菌感染によって発生し、根にこぶ状の腫瘍を形成します。年間を通じて発生する可能性がありますが、湿度が高い時期に増加します。
【病気になりやすい樹木】
サクラ類、ナラ類、カエデ類など
庭木が病気になったときの対処法
普段から手入れをしていても病気になることはあります。
もし病気になっている部分を見つけたら、感染を広げないためにもその部分を切除してください。
そのあとは薬剤を使用して、正しい方法で消毒するのがおすすめです。
庭木の病気の予防方法
木を健康に保つためには、日頃から適切な剪定が欠かせません。
定期的な剪定は、異常を早期に発見できるだけでなく、庭木の成長を健全に促します。
さらに風通しの良い環境を作るため、植樹時にはスペースを考慮することを意識しましょう。
また、必要に応じて薬剤を散布することで病気の発生リスクを低減できます。
薬剤の散布はご自身で行っていただくことも可能ですが、誤った使い方をすると人体に影響が出てしまうこともあります。
不安な方はプロに依頼することも検討しましょう。
病気に強い庭木
先ほど挙げた予防方法を実践していても病気にかかる可能性はあります。
もし頻繁にお手入れができない場合は病気に強い庭木を選ぶのがおすすめです。
病気に強いとされる庭木をいくつかご紹介します。
ソヨゴ
ソヨゴは病害虫に強く、剪定の手間が少ない常緑樹です。葉が柔らかく、風になびく様子が美しいため、シンボルツリーとしても人気があります。また、冬には赤い実をつけるので、庭に季節感をプラスしてくれます。
アオダモ
病気に強いだけでなく、害虫がつきにくいのが特徴です。落葉樹でありながら、葉の色が春夏秋と変化するため、庭に彩りを与えてくれます。
オリーブ
オリーブは乾燥に強い庭木で、日当たりの良い場所を好みます。病気や害虫の被害が少なく、育てやすい木の一つです。洋風の庭にも和風の庭にも合わせやすく、果実が実れば楽しみも増えます。
シマトネリコ
シマトネリコは病害虫に非常に強い常緑樹です。成長が早く、枝が繊細で涼しげな印象を与えるため、目隠しやシンボルツリーとしてもおすすめです。寒さにも比較的強いので、幅広い地域で植栽可能です。
ヤマボウシ
ヤマボウシは病気に強く、落葉樹でありながら美しい花を咲かせます。春には白やピンクの花が咲き、秋には赤い実をつけるので、一年を通して楽しめます。害虫も付きにくいため、初心者にも育てやすい木です。
庭木の病気はお気軽にご相談ください
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